たとへば君
読み終えました。
何か自分のことじゃないのに、気分が落ち込んだ。 人の死とは何と悲しいものなんだろう。
自分が病気だからか、私は人並みに長生きできるのだろうかと考えたりした。
お二人の歌からの抜粋です。
きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり
たったひとり君だけが抜けし秋の日のコスモスに射すこの世の光
あほやなあと笑ひのけぞりまた笑ふあなたの椅子にあなたがゐない
たとへば君ガサッと落葉すくふやうにわたしを攫って行っては呉れぬか
夕映を常に明るく受くるゆゑ登り詰めたき坂道があり
この家に君との時間はどれくらゐ残つてゐるか梁よ答へよ
こまやかに黄のかたばみが咲きてをりあなたに多くの借りあるこの世
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が